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2017年5月23日 (火)

早朝訓練の見学

昨日は、ご主人様が行っている早朝訓練を是非見学させてくださいと、香川県より来舎が有りましたのでその様子を紹介します。
見学者様は、サツマビーグルの仔犬の予約を頂いている元ハンターです。体調をくずして鉄砲は返納したが、その後身体もほぼ回復したことから健康の為に思い出深いサツマビーグルをもう一度飼育し、毎日楽しく山歩きをしたい・・・とのこと。
 
午前6時に来舎。今朝3時に起きて来られたとのこと。本当にご苦労様です・・・。
さて、早朝訓練に話を戻します!。
今日の山入りのお供は、見学者のご希望からマリー号とアサ号に決定。我々先住犬の指名はなく全員ガックリ・・・。。。
7時前に訓練場所に到着。見学者様の体力も考慮し、ある程度歩きやすい場所を選定。
先ず、訓練(放犬)前の注意事項をご主人様から見学者様に説明。
①訓練犬に触れたり名前を呼んだりしないこと。
②訓練犬が戻って来ても目線を合わせないこと。
③ご主人様の行動に同調すること。

以下、訓練の様子は以下の通りです。
先ずマリー号からスタート。マリー号は、見学者様が気になるのか林道から狩り込もうとせず動きも鈍い。しかし、10分程すると慣れたのか何時もの様に約100m前方を地鼻と高鼻を使って獣臭を探している。すると林道でピタッと立ち止まり、右側の法面の上に鼻突き上げチェックしている。漂って来る獣臭の方向を確認すると、エネルギッシュに狩り込んで行く行くと直ぐに追い鳴きとなった。この追跡時間を見計らい、ご主人様は見学者様に訓練前の注意事項について詳細に説明。なるほど・・・と納得を頂く。
GPS受信器を見学者様に見せながら追跡を解説。マリー号は、ご主人様の推測通りのコースを辿って追っており、追跡約15分で見学者様の前方10m先に牝シカ4頭を追って来た。見学者様は、僅か7ヶ月になったばかりのマリー号の見事な追跡に驚かれていたようである。マリー号はここで呼び戻して車の元に戻る。

暫く休憩の後、次はアサ号をスタートさせる予定であったが、見学者様の要望も聞き入れマリー号も同時スタートさせることにした。
2頭は、勢いよく林道を前進するや、先ほどマリー号を呼び戻した地点辺りから、アサ号がなんなくシカ臭を拾って林道左下の杉山に刈り込んで行くと、すぐさま起こし(シカ発見)となり、2頭の追い鳴きが静かな山々に響き渡る。しかし、約15分余りでマリー号がアサ号の高速追跡に付いて行けず遅れ出したが、ウォウォと言う追い鳴きは続いている。アサ号はとGPS受信器で確認すると、林道下の杉山を下り谷川を渡り、更に反対の杉山を上に向かって追い鳴きしている。この時マリー号とアサ号は約1kmも離れていた。見学者様にGPS受信器でアサ号の追跡を解説。この時アサ号の平均速度は9.6km/h、マリー号は5.6km/h。見学者様はマリー号も一般犬よりは早いと思うがアサ号の追跡速度には脱帽状態・・・。今までこの様な犬は見たことも聞いたこともないと絶賛される。和犬なんかで短距離ならこの位のスピードは出る犬もいるが、もうアサ号は30分も高速追跡をしている。GPS受信器からアサ号の電波が消えたため、マリー号に画面を合わすと、追跡を諦めて動かなくなっている。体力の限界なのか・・・
 
その後約10分余り経ってGPS受信器にアサ号の信号が入り出した。マリー号が居る方向に追い鳴きして来るようである。するとマリー号がシカを見つけたのか、けたたましい鳴き声で追跡を開始する。アサ号も直ぐに追いつき2頭で追跡するも、シカは反対側の杉山に逆もどり。そこには水量が多い谷川があり、シカはそこを渡るようである・・・案の定追い鳴きはそこで止まった。恐らく体力の限界と喉の渇きから水を盛んに飲んでいるのだろう・・・。
暫くしてGPS受信器を見ると2頭が一緒になってご主人様の方に帰って来るのを確認。
 
2頭が帰って来る間を利用し、ご主人様は見学者様に基礎訓練の方法や何故に必要なのか等々を丁寧に分かりやすく説明し納得をして頂いた。約10分余りで2頭が大きな口を開けハーハーと大きな息遣いをしながら帰って来た。ご主人様も腰を落として笑顔で迎えてやる。どうだ!・・・と言わんばかりの満足感漂う2頭の顔を見て、見学者様は「今日は凄いものを見せて頂き、3時に起きて香川から来た甲斐がありました・・・」とお礼の言葉を頂いた。
 
以下、早朝訓練の様子(写真)を紹介します。
※ 見学者様の写真はご本人の意思で割愛させて頂きます。
 
写真① 見学者に気を取られるマリー号
約10分余りで平常心を取り戻し、エネルギッシュな狩り込みから、すぐさま追い鳴きに移る。
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写真② 雌シカの追跡を終え帰って来るマリー号
追跡約15分余りで見学者様の前方約10m先に雌シカ4頭を追って来た。
その後、ご主人様の呼び戻しによく反応し帰ってくる。
※ 追跡欲を殺して主人の呼び戻しに反応できる犬は本当に少ない。
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写真③ マリー号はアサ号と一緒に再スタート
マリー号は若いせいか体力の回復も早く、少しの休憩でアサ号と元気に再スタートをきる。
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写真④ 本日の追跡軌道
GPS受信器の軌道はマリー号のものである。約2km四方の範囲内を約60分余り追跡。
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