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2018年6月12日 (火)

マリー難産の末に無事出産!

こんにちは。。。四国徳島は、昨日からの雨も止み、涼しい曇り空となっています


さて今日は、昨日マリーが初めての出産で難産となりましたが、無事に出産できましたので紹介します。以下、出産の一部始終をお話しします。


6月11日(月)の午後3時ころより、運動場の育成室の大型ケージの床をガリガリとかき、落ち着きが無くなり、出産の兆候が現れました。
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すぐさま、犬舎のお産室(繁殖専用の大型ケージ)に移されました。Img_20180610_070711

マリーは、そわそわして落ち着かない様子でしたので、お産に集中させる意味から周囲をべニア板で覆いをして、陣痛が来るのを待っていました。

午後3時30分頃から陣痛が始まり、お腹が痛いのか悲痛な鳴き声を出していましたが、30分余りで静かになりました


午後4時30分、最初の仔犬が産まれました。今まで見たこともないビックな赤ちゃんでした。この時ご主人様は、奥様にこれは難産になるかも?と話されていました。


午後5時30分、ご主人様が、何時もの様に運動場の我々を犬舎に戻し、床を水洗清掃するために母屋から出て来ました。外は雨がどしゃ降り状態です・・・。気温は22℃で涼しくお産には適温と言えます。
ご主人様は、先ず産室を覗くとまだ1頭のみで後が産まれていません。この時、ご主人様は異常に気付き、マリーの陰部を触診すると足が触れたので、これは逆子でしかも大きな胎児と判断し、マリーの首輪を左手で持ち、右手に滑り止めの木綿の手袋をはめ、陰部の中に手を入れ胎児を引っ張り出しました。しかし、胎児は窒息の仮死状態で、心臓マッサージをしましたが死亡しました。この時胎児の体重は520gもあり、通常300g前後ですので相当大きなことから、ご主人様が心配していたことが現実となりました。


午後6時30分、我々を犬舎に戻し、運動場の清掃を済ませ、マリーの様子を見ると、陰部から、また足が出ていました。破水した直ぐだった様です。急いで手袋をはめ、足を持って引っ張り出し、紙タオルで子犬を拭き、ぐったりしている子犬を両手で持って、頭を下にして強く振り、気道に詰まっている体液を出してやると、前足を動かし蘇生しました。身体をゴシゴシとマッサージをすると更に元気になったのでマリーの元に戻してやりました。


午後7時30分、マリーの様子を見に行くと、陰部に次ぎの胎児の黒い袋が見えたので、ご主人様はそのまま待機することにしました。マリーが袋を噛んで破水させ、力んでいるが胎児は中々出て来ない・・・。ご主人様は、このままでは胎児が危ないと判断し、手袋を付けて、陰部に入れ胎児の頭をもって引っ張り出しました。処置が早かったので子犬は元気でした。これで4頭を出産しました。マリーの腹を見るとあの大きなお腹がからり減っこんでいます。しかし、触診で後2頭ほど居ることが確認されました。


その後、1時間毎にマリーを見に行きますが、仔犬は産まれる様子はありません。時間は9時30分を回っていますので、取り合えず3頭の仔犬に初乳を飲ますことにしました。マリーの乳房を絞り乳を出して飲みやすくし、口を少し開けて乳房に軽く押し付けると勢いよくお乳を飲み安堵しました。3頭ともに480g前後もあるビックな赤ちゃんです。。。


午後10時30分、マリーを見に行くが、陣痛が非常に弱いようです。力みはしていますが力強さにかけます。残っている胎児を出産できるか?、マリーの身体が心配です。
ご主人様は、後に残っている胎児は更に大きいと判断し、お産を手伝うことを決心します。
陰部に手をいれると、また足が触れます。かなり大きな胎児の逆子です。これは大変だ!と、とにかく胎児よりマリーの身体を第一義に考えることにし、陰部に手を入れ足を掴み引っ張りだそうとしますが、なかなか出ません・・・。マリーは嫌がり暴れ出しました。少し時間をおいてマリーに頑張ってもらい、再度陰部に手を入れ足を掴んで引っ張ると、こんどはスルッ!と出てきました。胎児は死産でした。
仔犬を新聞紙に包みお産室から出すと、マリーはどこへ持っていくの・・・とばかり、じっと見つめます。この時ばかりは非常に可愛そうである反面、ご主人様はあのマリーがお母さんになっていると言う一面を見て、幼いころを思い出し、成長したマリーに驚いていました。


午後11時30分、マリーが何度も大きく息をして力むも胎児は出てくる様子は有りません。
暫くマリーに任せていると、陰部から胎児の口と舌が見えます。早速陰部に手を入れて確認すると、頭が凄く大きく産道で引っ掛かっています。これは大変と、ご主人様は暫く思案します。マリーは大きく息をして何度も力んでいます。しかし、この胎児の大きさは尋常でなく、自然分娩は出来ない!。もし、放っておくと母子ともに危険な状態となるでしょう。
再度、陰部の深い位置に右手の一指し指と中指を入れ、頭をしっかりと挟み、強く下に押し付けるようにして引っ張り出すと、やっと出ました。もちろん胎児は死産です。体重はなんと590gもありました。生存している仔犬より100gも大きい・・・驚きです!。


午後12時、ご主人様は最後にもう一度触診しました。もう胎児は居ないと判断しました。そして産箱に敷いてあった細かく切った汚れた新聞紙等を全て取り除き、新しいものに交換し、お産で汚れたマリーの身体と子犬の身体もお湯で濡らしたタオルで綺麗に拭いてやりました。そしてもう一度子犬にお乳を飲ませ、ご主人様は母屋に帰りました。


ご主人様は、今朝4時30分にマリーを見に来ました。母子ともに元気でほっとしていました。また産箱の下に敷いていたペットシーツが黒く大きな範囲で汚れているのを見て、後産も無事に出たことを確認しました。
そして、母子を産室から出して、汚れているペットシーツと床敷(ステンレス網)を新しいものに交換し、汚れているケージも綺麗に清拭きしました。


写真は、マリーが早く子犬の所に返せ!とばかり立ち上がり、ワンワンと鳴いて催促している様子です。仔犬が心配でならない様で、しっかりとお母さんモードになっているようで、この分だと育児も心配なさそうです・・・(笑)
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産室の清掃が終わり、仔犬とのご対面にとても喜んでいるマリーです。座り方がマリー特有です。。。熊のお母さんが子供に乳をやっている様な姿です・・・(笑)
大きなお腹もペチャンコになっています。オッパイは巨乳で、仔犬も3頭と少なく、喧嘩をしなくてもたっぷりとお乳も飲めます。今後は、丸々と大きく育つことでしょう!。
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【 ご主人様の出産総括 】
ともかく無事に出産してホッとしています。ご主人様もアメリカンビーグルで35年、サツマビーグルで7年の計42年間の繁殖において、この度の様な難産は初めての経験でした。犬のお産は軽いと言われていますが、この度の様に胎児が通常の倍近くもある大きさがあると自然分娩では母子ともに死んでいた可能性も少なくないと考えます。
出産までの日数も交配日から63日目と一般的であり、胎児が何故にこれだけ大きくなったのか理由ははっきりと分かりませんが、イヌでも難産は有る!・・・と言う事だけは現実として受け止めなければなりません。
ご主人様は、経験豊富な繁殖のベテランで、この度は適切な判断と処置により、マリーと仔犬の命を救えましたが、一般的には妊娠犬が異常に大きなお腹をしている場合には掛かりつけの動物病院で診察し、その指示に従った方が良いと考えます。また、この度記載しました胎児を取り出す真似は絶対にしないようお願いします。
一昨年、奈良県のオーナー様も大切な母親(シカ猟犬)をお産で亡くしています。死因は不明ですが、恐らく胎児が大きくて自然分娩が出来なかったのでは?とのことでしたが、それを聞いたときは正直信じられませんでしたが、今回自らがその体験するとは思いませんでした。
この度は、幸運にも出産が昼間から始まったことで、ご主人様が付き添っていたことが良い結果をうみました。これが、深夜だったら・・・と思うと、ゾットします。



今朝は雨も止み、マリーの出産を祝うようにコバルトブルー色で目が覚めるような美しいアジサイが咲き誇っていました。
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