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2018年7月20日 (金)

豪雨で特定外来生物の分布拡大

こんにちは。。。四国徳島は、早朝より気温28℃で、今日もカンカン照りの猛暑になるようです。。。もう暑いは通り越し、死にそうです。。。

さて今日は、当地にも特定外来生物のアライグマが遂にやってきたと言うお話をしたいと思います。

徳島県の地図は、下の通りです。
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県下を東西に縦断するように大河「吉野川」が流れ、肥よくな大地が広がり、昔から農業が盛んに行われています。
ところが、この吉野川は大雨が降り増水すると、日本三大暴れ川の一つとして数えられており、利根川(坂東太郎)、筑後川(筑紫次郎)と並び四国三郎の異名を持っています。


下の写真は、穏やかな流れの吉野川の様子です。

夕暮れは特に美しい景色となります。
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ところが、先日の豪雨では下の写真の様に増水し、暴れ川に変貌します。
下の写真は上と同じ場所です。
増水すると川幅が更に広くなり物凄い濁流となります。
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ここまでは何時も吉野川の豪雨での様子(紹介)です。しかし、この度の豪雨では思わぬ事態が起こっています。実は、吉野川は川の中に日本最大の中州が存在し、多くの生物が住んでいます。勿論、狩猟獣のノウサギ、タヌキ、キツネ、キジ、コジュケイ、カモ等の他、10年ほど前からはイノシシ、シカも住むようになっています。


一方、今回取り上げました特定外来生物のアライグマもここ数年の間に、吉野川の北岸地位一体で生息が確認されるようになりました。
アライグマは、漫画「ラスカル」で大変有名になり、多くのペット愛好家が飼育するようになりましたが、大きくなると狂暴となり、止むを得ず飼育を放棄し、山等に放したもが自然繁殖したと言われております。
アライグマの写真は下の通りです
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また、その繁殖力は強く、生息分布範囲も拡大しており、ブドウ、ナシ等の果樹にも大きな被害をもたらす様になっています。
このアライグマがスイカ栽培の盛んな吉野川中州にも生息分布を広げ、大きな被害を及ぼす様になっております。
因みに、アライグマの食害写真は以下の通りです。アライグマの仕業は、手が非常に器用なことから一目瞭然で容易に判別は付くようです。


写真は、スイカの食害です。
スイカに穴を開け、手で器用に中身だけをかき出して食べます。
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写真は、ナシの食害です。
ナシの木に登り、かたっ端から実をもいで、噛みつき味見をし、美味しい物だけを食べるようです。食味をするので大群がやって来ると一晩のうちに全滅することも少なくないと聞きます。
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写真は、ブドウの食害
やはりブドウの木に登り、棚にぶら下がって、熟した実だけを食べるので、残された実も商品価値は無くなり売り物にはなりません。
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以上、簡単に被害状況を紹介しましたが・・・・可愛いですが農家にとっては死活問題となっております。有害駆除も地元猟友会等が行っていますが、夜行性で箱罠による捕獲しか方法がなく、思うような駆除成果は上がってない様です。
兎に角、とても用心深く、利口で賢いらしいです。仲間で食べれる果実や駆除(危険)情報等を共有しているようです。1頭が捕らえられると、もうその地区のアライグマは中々箱罠には掛からない様です。


話を本題に戻します。
当地は、吉野川の南岸に位置し、幸いにもアライグマの生息は今日まで確認されていませんでした。
しかし、先日の豪雨で吉野川が増水したことにより、逃げ遅れたものが流木等に掴り下流に流され、南岸の当地に辿り着いた・・・と推測されています。陸上経由ですとかなり時間がかかることから、正論の様に思われます。
やっと辿り着いたアライグマも何かを食べないと死んでしまいます。そこで本来夜行性のアライグマが昼間でも確認されています。

下の写真は、トウモロコシ畑の食害です。
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現在、当地は有害駆除を行っていますが、イノシシ、シカ、サル、カワウ、カラス、サギ等で、アライグマは駆除対象には入っておりません。今後、余りにも被害が拡大するようであれば駆除対象になると思います。
以上、この度の豪雨で河川の増水により、アライグマの生息分布が当地にも拡大したと言う事象を報告させてもらいました。

他方、このことは全国にも同じことが考えられ、特定外来生物の生息分布が拡大していることは否定できないと思います。
現在、西日本豪雨は、多くの死者並びに行方不明者、道路や山腹の崩壊等が報道されていますが、今回紹介しました様な特定外来生物の生息分布拡大が、更なる被害(農業)の拡大にならないかと案じております。


アライグマの取り扱いはくれぐれも慎重に!

アライグマは非常に凶暴性があり注意が必要です。また、人畜共通の感染病であるアライグマ回虫、狂犬病、レプトスピラ、エキノコックス等のキャリア動物であり、今日までに死亡例も報告されております。
万一、駆除で捕獲しても素手で直接触ることは決して行ってはなりません。仮にアライグマの駆除活動を行う際は、前もってこれらの情報を共有しておくことが非常に重要と考えられます。


後記
この度の西日本豪雨は、岡山県にも大きな被害をもたらしております。当県は昔から特定外来生物のヌートリアが生息し、その生息数も多く生息範囲も年々広がっている様です。
もし河川の増水で流されたヌートリアが流木等に掴り、瀬戸内海に流れ出ると一気に他県にも生息分布の拡大が懸念されます。

写真は、ヌートリアが大好物の水生植物を食べている様子です
水田のイネや根菜類に大きな被害が出ています。
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