これがサツマの伝承犬「鼻白」です!
ソラの仔犬に、サツマに伝承されています『 鼻白(ハナジロ) 』が出来ました。
先ず、その写真からご覧ください!
通常は、この時期になりますと、鼻の色は黒一色になります。
鼻の色は、産まれた時は薄いピンク色をしていますが、段々と黒色の色素沈着が始まり、生後50日頃までには大部分が黒一色に変化します。
この度紹介します「 鼻白 」は、鹿児島地方のサツマビーグル愛好家の猟師間で、この様な犬は『 とても猟芸が優れている 』と伝承されており、他の仔犬とは特別扱いで高値で取引されていた様です。
話は明治中期に遡ります。
当時、イギリスからやって来た土木技師が連れて来たビーグル(現在のビーグルより大型)で良くノウサギ猟をしていた様です。
その美しい体型と追い鳴きにぞっこん惚れこんだ地元猟師が、自分が飼っている地犬(薩摩犬)に交配し仔犬を生ませました。
その仔犬は、とても猟芸が良かったことから、門外不出で集落で大事に飼われていた様です。
勿論、当時の犬はみんな放し飼いでしたので、知らぬ間(偶然)に系統が固定され集落特有の猟犬が誕生した様です。
集落の仔犬は、生後6ヵ月になっても鼻が黒と白が混じった犬が多く、当時集落を訪れた猟師はそれに気づいた様です。
その後、昭和に入っても外部の入血を拒んだことから、集落の系統は極近親繁殖が進み消滅したようです。
ところが、門外不出の集落の犬をこっそりと大枚を叩いて手にした猟師の犬が残っており、その犬に別系統のサツマを交配させ、その子孫が残った様です。
そして、生まれた仔犬には前記した集落の系統に見られた「 鼻白 」が時々生まれた様で、その仔犬はやはり素晴らしい仕事(ノウサギ猟)をしたことから、この仔犬を『 ハナジロ 』と呼び、他犬とは別扱いしていた様です。
更にこの系統にバセットタイプのサツマを交配させ、現在のサツマビーグルに近い系統が誕生し、姿が良く猟芸が優れていると言うことから、多くの猟師が飼う所となり、その後有志の下で保存会も結成され、盛んに品評会が行われ、益々品種改良が進みました。
そして、保存会の犬を『 川内系 』と呼び、今日のサツマビーグルの基となっております。
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如何でしたか???
写真を見てもお分かりの様に、一見に発育不良か規格外の不良犬の様に思われますよね!。
ここで、面白い話が残っていますので紹介します。
オーナー様はシカ猟をしていると言うことから、上記事情を説明し譲渡したのですが、生後100日となり動物病院にワクチン接種に行った時、鼻の色を見て、先生曰く『 この犬の鼻の色(白黒のブチ)は遺伝ですので変わりませんよ! 』と言われた様です。
つまり!、この様な規格外の仔犬を何故買ったのかと言わんばかりの物言いでムカッと来た様です・・(>_<)
オーナー様は、ご主人様を信頼し反論はしなかった様ですが、すぐさま電話がかかって来ました。
そしてご主人様から『 遅くても10ヵ月以内には鼻は黒一色になります。もしならない場合は、犬を引き取った上で譲渡額の全額をお返しします 』と伝えた様です。
その後、その犬は6ヵ月までに鼻は黒一色となり、猟芸もグループ全員が信頼する素晴らしいシカ猟犬に成長し、現在も大活躍しています。
その犬を見て、是非私にも飼わして欲しいと懇願され、当地には現在4頭が行っております。
この様な「ハナジロ」は、ブリーダーしか分からない色素沈着が遅いと言う遺伝因子を持つ個体ですので、6ヵ月を過ぎた若犬を購入しても鼻は黒一色に変化していますので探すのは不可能です。
このチョットした「気付き」が、良い犬を後世に残すヒントになることもあります。
この様にしてこの世にサツマビーグルを残してくれた先人達の犬を見る目にはただただ驚かされます。
当時の薩摩(鹿児島)は、西郷隆盛のように武士がノウサギ猟を盛んにしていたことから、みんなが競い合って優秀な猟犬作りに励んだ結果、一般猟師にも品種改良への想いが受け継がれ、今日のサツマビーグルが誕生したと言うのがもっともな説と、ご主人様は考えています。
薩摩は武の国、質実剛健にして門外不出と言う薩摩隼人やその子孫たちが好んで飼育したサツマビーグルは、とても頼りがいのある猟犬と言えます。
外見は、大きく長く垂れた絞り耳を持つ洋犬に見えますが、気質はサムライ「薩摩隼人」を彷彿させると言うのがサツマビーグルなのです。
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鹿児島では、「ハナジロ」犬と同様に良く仕事をやると言うことで、他に「ゴマ」犬と「耳白(ミミジロ)」犬が伝承されています。
この二つについては、後日詳しくお話ししたいと思います。
これらの伝承犬は、今風に言うなれば客観的な遺伝子マーカーであり、ご主人様は先祖帰り(隔世遺伝)した犬と考えています。
・・・ので、この伝承犬を入血(交配)することにより繁殖障害は防げると思います。
先人達は、こうして良い犬を求めることで繁殖障害も偶然に克服していったと考えます!・・( この話の続きは後日に! )
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本日は、この辺で失礼します・・(@^^)/~~~
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