ワカの訓練日記(1)
ワカは、1回目のワクチン接種は終えていますが、2回目は10月10日前後に行う予定です。
基礎訓練は、2回目のワクチン接種後2週間ほど経って、ワクチン効果が出て来てから行う予定です。
訓練は、基礎訓練と山入訓練に分けて行います。
ところが、ワカはとてもフレンドリーな性格から、我家にやって来られる多くの方や我々との犬社会でも既に順応しています。
そこで、基礎訓練項目の中の、道路での車や人への慣れ、公園での人や他犬との社会勉強は2回目のワクチン接種が終了しないと行えませんので、先行して疾病感染が極めて少ない『 田んぼ訓練 』をすることにしました。
既に、田んぼ訓練を開始してから5日目になります。
以下、田んぼ訓練の様子を紹介します。
この度は、初めて猟犬を飼う人の為に、訓練の解説を入れながら分かり易く記載しましたので、少し長い文章になっています。
生まれて初めて体験する猟犬「ワカ」の訓練の様子をどうぞご覧ください!
田んぼ訓練とは、稲を刈り取った後の田んぼで訓練犬を遊ばせながら、山入訓練前の基礎体力の増強や呼び戻し訓練等を行います。
行き成り山入訓練をするより、広い田んぼで思い切り走らせてやり、時たま名前を呼んで呼び戻しを学習します。
尚、犬舎周辺の田んぼは、段々畑となっていることから、岸を上がり下りも学習が可能です。
最初は、30cm程の低い岸からスタートし、2m余りの高い岸に移行させます。
このことは、林道からの法面の上がり下がりをするために非常に役に立ちます。
それでは、田んぼ訓練の5日間の様子を紹介します・・。
●第1日目
ワカは、犬舎と運動場から出たことがありませんでしたので、リードを付けて犬舎から出そうとしますが、イヤイヤし地面にベタっと腹ばいになって動きません・・(笑)
我々もみんな、ワカと同じでした・・。
ご主人様は、こんな時無理にリードを引っ張ることをせずに、訓練犬が落ち着くまで待ってくれます。
周辺の環境に慣れれば、訓練犬は立ち上がって、オドオドと警戒しながら周辺を散策する様になります。
そして、一歩づつ、ゆっくりと前進して行きます・・。
ワカは、何と!犬舎から道路に出るまでに約10分も掛かりました。
そして、次は屋敷から道路に出るのにまた同じように、道路にベタっと腹ばいになってイヤイヤします・・(>_<)
どんな事があっても、ご主人様はワカを励ましたりせず、ワカ自身が立上って歩き出すのを待ちます。
未経験の事を始める時は、みんな怖いものです・・。
何が怖いのかはみんな原因は異なりますが、要はこの怖さを一つ一つクリアーして行くことにより、怖さの原因を自ら解消させることにより自信をつけて行きます。
こんなこんなで、僅か30m余り先の田んぼに行くのに20分余り掛かりました・・。
そして、道路から田んぼに入る時も全く同じ行動をとりました。
田んぼは、稲を刈った後の二番穂が30cm余り伸びていますので、藪入り前の訓練には持って来いの状況です。
下の写真は、田んぼに入った時の様子です。
尻尾を股に巻き込んで恐怖心を露わにしています。
こんな時は、訓練犬が落ち着き、尻尾の巻き込みが解け垂れるまで待ってやります・・。
※ 尻尾を股に巻き込んでいる時は、極度に緊張し怖がっているので、無理にリードを引っ張ったりしてはなりません。
下の写真は、リードを外して、訓練犬よりゆっくりとは離れた様子です。
※ この時訓練犬と訓練者の信頼度が明らかになります。
※ 訓練犬が訓練者の方に近寄ってくれば、信頼関係は構築されていると言えます。
約10m余り歩いては止まり、訓練者は知らぬふりをして訓練犬を待ってやります。
※ 訓練者に信頼を寄せている場合は、怖いので直ぐに近付いて来ます。
※ 逆の場合はその場所で伏せ込んで震えたり、又はパニックで何処かに走り去ったりします。(この場合はリードを付けたままで歩きます)
下の写真は、ワカがご主人様の下に走って来た様子です。
ここでも、直ぐに動かずに暫くいると、訓練犬は「 主人といれば怖くない 」ことを学習します。
その後、ご主人様が30分余り田んぼをグルグルと回っても、ワカはしっかりと付いて来て来ました。
●第2日目・・
犬舎を出る時は、やはりイヤイヤして歩きませんので、周辺をウロウロするまで待ってやり、昨日と同様な方法で田んぼに行きました。
下の写真は、昨日と同様に田んぼをグルグルと回っている時に、ウンチをするワカです。
ご主人様は、10m余り進んでワカを待ってやりますと、喜んで走って来ました。
※ ウンチをしたり、走って訓練者の下にやって来ると言うのは、可成り馴れたことが伺えます。
●第3日目・・
犬舎から田んぼまで、リードで繋いで移動しましたが、すんなり歩きました(尻尾は未だ垂れています)。
そして、田んぼに入りリードを放すと、今まで通りご主人様の後を付いて来ますが、この日は少し違っていました。
ご主人様が歩くのを止めじっとしていますと、ワカは恐る恐る興味がある臭いの下に行っては帰るを繰り返す様になりました。
●第4日目・・
運動場にリードを持って行くと、ワカは尻尾を振って待っている様になりました。
田んぼに行くことが、待ち遠しくなった証拠で、田んぼでリードを放してやると、ご主人様から離れて遊ぶ様になりました。
ご主人様から離れては、下の写真の様に元気に走って戻って来ます・・。
そして、犬舎から母親ソラの鳴き声が聞こえると、そちらに向かって走って行きますが、未だ犬舎に帰ることは怖いのか?、ご主人様の下に走って来ます。
下の写真は、母親ソラの声に導かれご主人様から30m余りも離れ犬舎近くまでやって来ますが、怖くて行くことは出来ません。
しかし、良く勇気を出してご主人様から離れたものです・・( 母は偉大です! )
身体は大きくなっても、まだまだ仔犬ですよね!・・(笑)
●第5日目・・
もう、田んぼに行く時間帯になると、育成室の扉の前で、尻尾を振りながら待つ様になりました。
田んぼでは、走っては戻るを繰り返し、とても楽しく遊んでいます。
そして、帰り際には、下の写真の様に、何とも頼もしい雄姿を見せてくれました。
僅か5日程の訓練ですが、もうすっかり環境にも順応しています。
※ 尻尾の位置をご覧ください・・尻尾をピンと立て緊張感も漂っています。
我家の訓練3則は『 焦らず 急がず 騒がず 』であります。
あくまで、訓練者は訓練犬の身になり考動し、訓練犬の自主性に任せて学習させることを行っています。
現在、行っています田んぼ訓練も、じれったい!とお思いになった方も大勢いると思いますが、訓練犬は自ら自分自身に打ち勝ってこそ前進できることがお分かりになったと思います。
5日前は、犬舎を出る時イヤイヤし地面にベタっと腹ばいになって動かずオッコをチビっていたワカが、初めて体験する恐怖心に打ち勝ち、もうすっかり田んぼ訓練を楽しいでいます・・( 拍手! )
僅か5日間の田んぼ訓練ですが、ワカはとてもフフレンドリーな性格ですが、初めて経験することに対しては警戒心もあり、訓練に対する学習能力も長けていると思います。
警戒心は、注意力(観察力)が鋭く利口で賢い犬によく見られます。
そして、このことは山入後の捜索から起こしに進展させる原動力に繋がります。
また、追跡中に獲物を見失った場合の二番起こしがとても上手な犬に多い特徴でもあります。
追跡犬にとて「警戒心」は重要な資質であり、こればかりは天性のもので訓練で補うことは不可能と考えます・・(>_<)
話しは変わりますが、身体も少し逞しくなった様ですので身体検査をしてみましたところ、体高は45cm、体重は14kgでした・・。
未だ、今日で生後4ヵ月ですが、もうこの体格は成犬牝の標準に達しています・・( えぇ・・凄い! )。
・・・・・・・・・・・
今後は、平らな場所から、田んぼの岸の法面を上がり下りする訓練をします。
法面は、上りより下りるのが何倍も恐怖心が出てきますので、低い法面から高い法面と・・ゆっくりと時間を掛けて行います。
この様にして、山入訓練を想定した前段階の田んぼ訓練は基礎体力の増強にも繋がりますので、とても有効です。
我々もみんな、こうして一人前の狩猟犬になっております。
※ 訓練犬は、自分自身に打ち勝って前進しない限り、誰も構ってくれない(助けてくれない)ことを学習します。
ご参考になれば幸甚です・・。
では、本日はこの辺で失礼します・・(@^^)/~~~
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