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2022年5月23日 (月)

猟犬の夏山訓練で心掛けていること!

ご主人様は、雨や所用がある以外はワカを連れ山入訓練をしています。

その効果か・・最近は狩り込み(捜索)にも積極性が見られる様になり、ワカもご主人様も山入訓練がとても楽しくなっています・・(^^♪


さて、これから気温が30℃越えの日々が続く猛暑日が近づいていますが、若犬の訓練は暑いからと言ってお休みは出来ません!。

そこで本日、我家でやっています夏山訓練について、お話しさせて頂きます・・。


生後6ヵ月ともなれば、我家では山入訓練を始めます。

一番やかいなのは、夏場に生後6ヵ月になる幼犬の訓練です。

暑いからと言って6月~10月の山入訓練をせずに、遊ばせておくと立派な狩猟犬にはなり得ません!

しかし、夏山訓練は、訓練者も訓練犬も色々と注意しなければ取り返しのつかない事態にもなり兼ねません!


そこで、我家で行っている夏山訓練の諸事項について紹介します・・( ご参考になれば幸甚です )

●訓練時間

夏山訓練は、早朝5時~8時までとしています。

気温が上がらない内に訓練を切り上げています。

若犬に暑さで嫌な思いをさせますと、逆に山入を嫌うようになります・・(◎_◎;)


●訓練猟場

夏山訓練で、一番重要視しなければならないのは猟場の地形「環境」です。

・我家では、標高700m級の高地で、且つ、水場がある猟場を選んでいます。

谷筋は清水が流れ、気温も高くなることも無いことから、鳥獣も周辺で生活していることも少なくなく、早朝は必ず水を飲みにやって来ますので若犬でも臭いに良く反応し、猟欲の発現に繋がります。


●訓練者が注意すべき事項と対策


① 脱水症(熱中症)

・汗を沢山かきますので、少し大きめの水筒に冷えたポカリスェット等を入れ持ち歩き、適時に水分補給をしています。

② マダニ感染症

・夏山はマダニが多く、ウイルスを保有しているマダニに咬まれますと、死に至る恐ろしいマダニ感染症を発症します。

対策としては、山入前はマダニ退避剤等を衣服に噴霧し、車に乗る前は衣服に付着したマダニをガムテープ等を適当な大きさに切り、ズボンや服をペタペタと貼っては剥がすを繰り返し、マダニを除去しています。

③ マムシ

・夏山の湿地を歩くときは、マムシに注意する必要があります。

対策としては、咬まれても良い様に少し長めのスパイクシューズ(長靴)を履くようにしています。


●訓練犬が注意すべき事項と対策

① 脱水症

・これは訓練者も訓練犬も同様に注意が必要です。

訓練猟場として高地の谷筋を選ぶのは、暑さ対策と何時でも我々が綺麗な水が飲めるからであります。

② レプトスピラ感染症

・レプトスピラのワクチンはありますが、20数種類あるレプトスピラ全てには残念ながら対応はできません!

我家でも毎年8種混合ワクチンを接種していますが、今日までにレプトスピラに感染し3頭ほど死んでいます。
感染しますと、対象療法以外に治療の方法はなく、大部分が死んでしまいます。

レプトスピラの中間宿主はネズミですので、水場が無い猟場ではイノシシのヌタ場や竹の切り株に溜まった水を飲むことも多いと思いますが、ネズミも飲んでいる可能性もあり、感染するリスクは高くなります。

対策としては、上記の様な水場ない場所での訓練を避けるしか方法はありません!

③ マムシ

・我家では、今日までマムシに噛まれ死亡した犬は居ません!

ですので対策としては特に何もしていませんが、万一咬まれた時は傷口をヨードチンキ等で腫れが引くまで毎日消毒し、二三日涼しい場所で養生させておけば綺麗に治ります。
但し、傷口が化膿している場合は抗生を投与する必要がありますので、動物病院に行くことをお勧めします。

④ マダニ

・犬を山に入れますと、沢山のマダニが付着します。

訓練犬に付着したマダニは、間接的に訓練者やその家族にも付着しマダニ感染症を発症させるリスクが伴います。

その為、山から帰った時はマダニの消毒をする必要がありました。
しかし、最近は月1回の投与(飲み薬)で約1か月間に渡りマダニを殺す効果がある良い薬「ネスストガード」が出来ましたので、我家では月初めに山入する犬に経口投与してもらっています。付着したマダニは、約6時間~10時間以内に全て死滅します。


これ以外にも注意事項はありますが、最低限、上記に注意して夏山訓練をしていれば問題は少ないと思います。

我々は、この夏山訓練をしっかりやったお陰で、猟期前には30分~60分余りシカを起こして追跡できるまで猟芸は仕上がりました。

そして、猟期に入りシカを撃って噛ましてもらいますと、我々の猟欲も見違えるほど向上し、やがては2時間余り追跡できる完成犬になっています。

訓練者が夏山は暑いのでしない!・・と言うのは、優秀な猟犬にならなくて良い!とも受け取られます・・(>_<)

我々猟犬としては、この様に訓練者が努力もせず我々を何だかんだと評価するのは是非止めて頂きたいと思います。

猟犬の学校は山「猟場」です・・暑いからと学校をお休みして立派な狩猟犬に成れるはずはありません!。

どうか?・・夏場に生後6ヵ月~10ヵ月の訓練最適年齢に達している(又は達する)訓練犬がいるオーナー様は、是非とも夏山訓練をされるようお勧めします。


下の写真は、今朝におけるワカの山入訓練の様子です。

林道で臭いを拾うと、高鼻と地鼻を上手に使い分け、積極的に狩り込むようになっています。

ご主人様は、『 初鳴き 』を、今か今かと期待して山入されています。

この時期は、訓練犬も訓練者も山入訓練が楽しくてたまらないと思います・・(^O^)/

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では、本日はこの辺で失礼します・・(@^^)/~~~


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本日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!

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