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2022年8月 4日 (木)

面被り「メンカブリ」!

我々サツマビーグルは、約130年前、鹿児島県内「薩摩」各地の集落で門外不出として、各系統が守られていました。

当時、各地域によって外国から持ち込まれた各犬種と地犬「薩摩犬」を交配し、多くの系統が誕生しました。

外国から持ち込まれた犬は、当時の薩摩と交易があったイギリス、フランス、アメリカ等が、献上品として持ち込まれたものや薩摩出身の明治政府の要人が渡航の折に土産として持ち込んだと言われています。

系統名としては、河内系、出水系、阿久根系、宮之城系、串木野系(飼育他が系統名となっている)の他、樺山系、押川系、西郷系、長谷場系(所有者が系統名になっている)など、多くの系統が誕生しました。

現在の様なサツマビーグルは、昭和初期から盛んに品評会が開催される様になり、自然と現在の体型に統一されて来た様です。

即ち、品評会で優勝した犬が各地に持ち込まれ、以前飼っていた犬は自然と飼われなくなっていった様です。

それは、優勝犬ともなると高値で取引され、中にはサツマ御殿と言う立派な家を建てた者もいたようですが、一方戦争特需で狩猟犬としてサツマの猟能が見直される様になり、当時はタヌキ、ノウサギ、キツネ等の毛皮は全て軍隊が高値で買い取ってくれたことから、優秀なサツマは高値で取引された様です。

そして何時しか、品評会は体型に加え、猟能(現在のトライアル)も審査される様になり、所謂「姿芸両善」の犬でないと優勝は出来くなった様です。

当然とて、優勝犬は高値で取引されることから、各集落では一丸となって品種改良に取り組んだ様です。


さて、本日の「面被り」ですが・・

何かと言いますと、顔に白いお面を被った様な毛色をした犬のことであります。

当時の薩摩の猟師達は、どうも猟芸を毛色を目安(指標)として品種改良を行っていたことが伺えます。

少し難しく言いますと、毛色遺伝子を取り入れた繁殖(品種改良)をしていたことになります。

薩摩と言う辺境の地で、品種改良された我々サツマビーグルは、各地域によって毛色や体型に違い(特徴)があった様です。


今日まで伝承されて来た毛色の犬は、猟芸が優れており、取引値は他犬の3倍~10倍もする犬もいた様です。

① ゴマ・・白地に黒い丸班の隙間に、黒い斑点の他に茶色の斑点が入っている犬。

茶色の斑点は、生後6ヵ月以降に現れますので、仔犬の時には判断は出来ません!

・・ですので、この手の犬の取引は生後6ヵ月以降の幼犬が対象となっていた様です。

※ ギン系とリュウ系の仔犬に、しばしば見られます。

② ハナジロ・・仔犬の鼻の色は、通常は40日~60日で黒一色になりますが、黒くならずに白色が残っている犬。

しかし、生後6ヵ月~10ヵ月になりますと、黒一色になります。

即ち、ハナジロは仔犬時代に確認しないと、6ヵ月以降になりますと判定は出来なくなります。

つまり、繁殖者しか分からない遺伝子であります。

※ ギン系の仔犬に、しばしば見られます。

③ ミミジロ・・茶色の耳に白地の斑点が入っている犬

同犬は、現在国内では我家のナツ1頭しかいない、極稀な毛色です・・、

※ ハク系に極稀に見られます。

以上が今まで我家で生まれた激レア犬です・・( 猟芸はとても優れています )

そして、この度リリー(ギン・リュウ系)とナツ(ハク・タロー系)の間に出来た仔犬に面被り『メンカブリ』と呼ばれる非常に珍しい毛色の持主が生まれました。

下の写真が、そのメンカブリの牡仔犬です。

Dsc_23782

生まれた時は、小さく、しかも猛暑でしたので生存できないだろうと思い自然淘汰を選びましたが、中々身体能力が高く、授乳も他犬に負けずお乳を飲んでいましたので、何とか生き延びることが出来たと思います。

現在は、離乳食を好んで食べますので、身体もみるみる大きく逞しく成長しています。

やはり、この系統が持つ遺伝力かも知れません!

聞くところによりますと、押川系の犬に顔ジロの犬が多く、とても追い鳴きが美しく追跡力も優れていたことから、ノウサギ猟の他シカ猟等の大物にも使っていた様です。

そして、何時かしら顔に白い面を被った様な犬を『 メンカブリ 』と呼ぶようになり、他犬と区別していた様です。

押川系は、フランスの犬の血が入っていると言われており、このことから犬種を推察しますと、恐らく当時フランスではハウンドの大部分を『 ガスコン・サントンジョワ 』が占めていたことから、同犬種と考えられます。

現在は、大型と中型の2タイプに分かれ、それぞれ別犬種として登録されています。

※ 押川系は、押川氏が亡くなると急速に消滅して行った様です。


下の写真犬は、フランスの中型ハウンド『 プテイ・ガスコン・サントンジョワ 』の仔犬です。

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どうですか???

押川系のハウンドが同種とは一概に言えませんが、フランスではもっとも多く飼育されてた犬種であることから、恐らくこの犬種を押川氏が手に入れ薩摩に持ち込んだと推察します。

当時は、牡又は牝の1頭のみの持ち込みが多かったことから、子取りには地犬の「薩摩犬」と交配し、色んな系統が誕生したと推察します。

それにしても、リリーの仔犬とそっくりで驚いております!!!

※ この仔犬は、福岡のハンターがフランスまで行って牡牝2頭を持ち帰り繁殖したもので、現在もシカ猟犬として活躍しています。追い鳴き声に特徴があり、臭覚が鋭く追跡力も優れていると聞いています・・( ご主人様の猟友が飼育中 )


今日は、我々サツマビーグルについて130前まで遡り、如何にして今日までその体型並びに猟能(猟芸)を継承して来たかをお話しさせて頂きました。

外見(体型)は見れば良し悪しは分かりますが、猟能(猟芸)は判断が付きませんので毛色(毛色遺伝子)を重視して品種改良を行って来たことが良く分かります・・( 現在も系統による毛色の違いは良く継承されています )

現在は、ハク系、ギン系、タロー系、リュウ系の4系統が居ますが、それを基礎犬にして品種改良中で、既に我家「四国プリンス犬舎」には5代目のワカも居ます。

・・ので、もし許して頂けるならば『 シコクプリンス系サツマビーグル 』と言って頂ければ幸甚です・・。


下の写真は、我家の5代目『 ワカ 』です・・

ワカは、仔犬の時は「ハナジロ」で、生後6ヵ月から茶色の斑点がビッシリ入った「ゴマ」になりました。

現在、国内最大級の牝犬に成長し、体高58cm、体重23kgの堂々たる純血サツマビーグルになっております。

Dsc_1861-2

尚、サツマビーグル誕生のルーツについて興味がある方は、ご主人様が苦心して調査された資料等を基に纏めた『 サツマビーグルのルーツ 』をご覧ください!

※ 同HPは、ご主人様が『 狩猟犬ビーグルの館 』として公開していましたが、プロバイダーがHPのサービスを停止した為に、同ページを残し、止む無く公開を停止しました。




では、本日はこの辺で失礼します・・(@^^)/~~~


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本日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!

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