サツマ保存活動の課題と対策!
我家の老ハンター(ご主人様)は、本日、73才の誕生日を迎えられました。
60才で定年退職し、その後絶滅寸前であった我々サツマビーグルの保存普及活動に取り組んで頂いております・・。
お陰様で、9月1日現在、国内で飼育されているサツマビーグルは172頭までになっております。
約10年前、当時鹿児島で最後の純血サツマビーグルとして残っていたハク(牡3.5才)とエス(牝2.5才)の2頭が我家にやって来ました。
( その後、3頭の牡犬が発見され、近親繁殖による弊害も避けられ、今日に至っています )
もう今では、ハク、エスの2頭とも天国に旅立っています・・。
もし、ご主人様が保存活動に着手していなければ、我々サツマビーグルは間違いなく絶滅していたと思います。
172頭まで増えたと、安心ばかりはしておられません・・。
それは、ご主人様に代わり保存普及活動に取り組んでもらえる後継者がいないと言うことです・・(-_-)
保存活動をする上で、大きな障害となっているのが昨年度改正されました動物愛護管理法です。
我々を継続的に繁殖し譲渡するには、同法で定められた「第一種動物取扱業」の登録認証を受けなければなりません。
以下、登録申請に必要な書類等に付いてお話しさせて頂きます。
1)飼育施設・・図面、写真等
申請する時点で、飼育施設は完成してなくてはなりません。
・申請には、当該図面を添付します。
※ 全て法律で規定された飼育施設、ケージ、運動場等であること・・( 現地立会い審査でチェックされる )
2)動物取扱責任者・・任命書(申請時に法で規定された用紙を用いて作成)
法改正で動物取扱責任者になるための条件が大変厳しくなりました。
・専門知識を有していること・・( 動物愛護管理士等の資格が必要 )
・実務経験を有すること・・( ブリーダーやペット店で常勤で6ヵ月、非常勤で1年以上勤務 )
※ サラリーマンをしている方は先ず不可能と思います
※ やるとすれば実務経験を有する方を探して雇うしか方法はありません。
3)記録書類等の帳簿
・飼養施設及び動物の点検記録台帳・・毎日記録し、5年間保管。
※ 日付、点検時間、飼養施設の点検状況(清掃、消毒、保守)、動物の数及び状態の点検(数、健康状態:正常・異常)、点検者、備考(実施した事項)。
・個体管理帳簿・・全ての飼育犬、繁殖犬(仔犬)、譲渡犬を固体毎に作成し、5年間保管。
・譲渡犬に関する情報提供書兼確認書・・仔犬等を譲渡した場合に、その都度作成し、5年間保管(コピーをオーナーに提出)。
・繁殖実施状況記録帳簿・・交配日、牡・牝、出産予定日、出産日、出産数(牡・牝)、出産後の牝の健康状態、新生児の状態、備考(実施した事項)等の帳簿を作成し、5年間保管。
4)犬猫等販売業開始届
申請時に法で規定された用紙を用いて作成。
5)安全管理計画
申請時に法で規定された用紙を用いて作成。
6)販売営業届
申請時に法で規定された用紙を用いて作成。
申請は、管轄する動物愛護管理センター又は保健所に提出します。
先ず、上記の書類に不備が無いかの審査があり、指摘された事項は再度提出しチェックを受けます。
そして、目出度く書類審査が合格しますと、審査員が現地を訪問し申請書類と一致しているかをチェックします。
※ 飼育施設、運動場、ケージ等の大きさは、メジャーを用いてチェックされます。
現地審査の結果、問題が無ければ「第一種動物取扱業登録証」が、当局から郵送されてきます。
郵送されて来た登録証(写し)は、飼育施設の入り口近くに掲示しなければなりません。
また、動物取扱責任者は、当局が年に1回実施する定期研修会を受講しなければなりません。
< 注意 >
当局の現地審査において、施設等の寸法チェックの他、3)の記録帳簿が備え付けられ、適切に記録されているか否か並びに既存犬の飼犬登録(鑑札:市町村役場)、狂犬病ワクチンの実施状況(鑑札、証明書)を求められますので、事前にチェックしておく必要があります。
以上の様に、我々サツマビーグルの保存活動は、動物愛護管理法で規制されており、それを順守しなければなりません。
ブリーダー「第一種動物取扱業」になるには、上記の様な関門を全て通過するため「人、物、金」が揃わないとできません。
どうしてこの様な厳しい法律になったのか?・・それは皆様もご存知の悪徳ブリーダーを排除し、作らない為のものですので仕方がありません!
ハンターが、昔から系統維持されて来た猟犬を真摯に保存して行こうと言う人達にとっては、本当に嫌な(迷惑な)法律と言えます。
系統保存(繁殖)の為に継続的に繁殖する場合は、第一種動物取扱業の登録認証が必要となる他、譲渡の際に僅かでも金品の授受があれば「無登録営業(販売)」となり、罰則が科せられます。仮に、鉄砲所持者であれば、更新時に法違反をした旨の記載が必要で、場合によっては取消しになる可能性も考えられます。
※ 系統保存の為に2~3年に一度の繁殖をし、無償でハンター仲間等に譲渡するば場合は法適用外になると考えられますが、心当たりがある方は当局(動物愛護管理センター又は保健所)に一度確認しておいた方が良いと思います。
色々とお話しさせて頂きましたが、我々サツマビーグルを今後共継続するための最良案!!!
施設設備を改めて作る必要もなく、既存の記録書類等が全て揃っている我家(四国プリンス犬舎=徳島県石井町)を引き継ぐことが一番ベストと思います。
問題の「動物取扱責任者」も、我家で1年以上の研修を積めば実務経験の資格も取れ、晴れてブリーダーとしてスタートできます。
※ 研修内容=施設の保守、飼育管理、繁殖・哺育、疾病管理等の他、各種帳簿の記録及び保管(PC管理)等を研修(学習)します。
但し、我家は資金が乏しい犬舎ですので、報酬は保存活動のボランティアと言うことに成ります(笑)
我家からの通勤圏内で、誰かいましたらご連絡ください!・・( お待ちしております )
下の写真は、稲を刈り取った田んぼで元気に遊んでいるジャッキー・マイです。
山入訓練までの基礎体力アップには最高となります。
( 右がジャッキー、左がマイです )
では、本日はこの辺で失礼します・・(@^^)/~~~
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本日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!
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